【趣旨】
移出酒税について、月例申告書を提出した酒類製造者は、その申告に係る酒類をその酒類製造者の製造場から移出した日の属する月の末日から2月以内に、都度申告を提出した酒類製造者は、その申告書の提出期限内に、それぞれ申告書に記載した酒税額に相当する酒税を国に納付しなければならない。
また、引取酒類について、関税法に規定する申告納税方式が適用される酒類を保税地域から引き取ろうとする者で申告書を提出したものは、その申告に係る酒類を保税地域から引き取る時(関税法の規定により特例申告を行う場合には、その引取りの日の属する月の翌月末日)までに、その申告書に記載した酒税額に相当する酒税を国に納付しなければならない。
しかし、実際に酒類の販売代金が回収されるまでの間、酒類製造者又は酒類引取者は、酒税の立替納付をせざるを得なくなる。そこで、納税義務者である酒類製造者又は酒類引取者の資金繰りを楽にするとともに酒税の立替納付についての救済を図る見地から、一定の要件のもとに納期限の延長を認めている。
1 内容
(1)移出酒類 (法30の6①
酒類製造者が、納税申告書をその提出期限内に提出した場合において、その納期限内に納期限の延長についての申請書をその申告書の提出先の税務署長に提出し、かつ、その申告書に記載した酒税額の全部又は一部に相当する担保を提出したときは、その税務署長は、その酒類製造者が酒類の販売代金の回収に相当期間を要することその他これに類する事由によりその担保の額に相当する酒税をその納期限内に納付することが著しく困難であると認められる場合に限り、1月以内、その担保の額に相当する酒税の納期限を延長することができる。
2 引取酒類
① 特例輸入者以外の者 (法30の6②)
酒類を保税地域から引き取ろうとする者(特例輸入者は除く。)が、関税法に規定する申告納税方式適用酒類に係る申告書を提出した場合において、納期限の延長についての申請書をその保税地域の所在地の所轄税関長に提出し、かつ、その申告書に記載した酒税額の全部又は一部に相当する酒税をその税関長に提供したときは、その税関長は、1月以内(酒類の販売代金の回収に相当期間を要することその他これに類する事由によりその担保の額に相当する酒税を1月以内に納付することが著しく困難であると認められる場合にあっては、2月以内)、その担保の額に相当する酒税の納期限を延長することができる。
② 特例輸入者 (法30の6③)
酒類を保税地域から引き取ろうとする者(特例輸入者に限る。)が、関税法に規定する申告納税方式適用酒類にかかる申告書をその提出期限内に提出した場合において、その納期限内に納期限の延長についての申請書をその保税地域の所在地の所轄税関長に提出し、かつ、その申告書に記載した酒税額の全部又は一部に相当する担保をその税関長に提供したときは、その税関長は、その特例輸入者が酒類の販売代金の回収に相当期間を要することその他これに類する事由によりその担保の額に相当する酒税をその納期限内に納付することが著しく困難であると認められる場合に限り、1月以内、その担保の額に相当する酒税の納期限を延長することができる。
用語の意義
(1)酒類製造者とは、酒類の製造免許を受けた者をいう。
(2)特例輸入者とは、保税地域からの引取りに係る酒類につき関税法の規定する特例申告を行う者をいう。