趣旨
酒税法においては、酒類を17品目に区分して、その製法や性状等により4種類に分類し、原則としてその分類によって税率を定めて、各酒類の担税力に応じた従量課税率を適用している。また、一旦製造された酒類に他の物品を混和した場合おいて、その混和後のものが酒類であるときは、次に掲げる理由から、一定の場合を除き、新たに酒類を製造したものとみなして、酒税法を適用することにしている。
(1) 低率の酒税が課された酒類に他の物品を混和して、高率の酒税が課税されている酒類を製造することができることが可能となり、酒税負担の均衡を失い、酒税収入の減少をきたすことになる。
(2) 酒類の製造免許を付与する場合には、酒類の品目ごとにその需給事情等を考慮しながら付与することになっているが、これが無意味になり、酒税法の趣旨に反することになる。
(3) 製造後の酒類に、自由に他の物品を混和すること認めてしまうと、酒類の定義が無意味になる。
1 みなし製造の原則 (法43①)
酒類に水以外の物品を(その酒類と同一の品目の酒類を除く)混和した場合において、混和後のものが酒類であるときは、新たに酒類を製造したものとみなす。
2 新たに酒類の製造したものとみなされない場合 (法43①③④、砺0①~④⑥、解通43①関係4、規13⑧)
(1) 次に掲げる場合については、新たに酒類を製造したとみなされない。
① 清酒の製造免許を受けた者が、清酒にアルコール又はしょうちゅうを加えた場合において、そのアルコール又はしょうちゅうを加えた後の酒類が次に掲げるものになているとき。
なお、その混和後の酒類は清酒とみなす。
イ そのアルコール又はしょうちゅうの重量がその清酒の原料になった米(こうじ米を含む。)の重量の100分50を超えないもの
ロ アルコール分が22度未満のもの
② 清酒又は合成清酒の製造免許を受けた者が、その製造場において清酒と合成清酒とを混和したとき。
なお、その混和後の酒類は、清酒と合成清酒の混和酒となる。
③ 連続式蒸留しょうちゅうと単式蒸留しょうちゅうを混和したとき。
なお、その混和後の酒類は、連続式蒸留しょうちゅうと単式蒸留しょうちゅうの混和酒となる。
④ ウイスキーとブランデーとの混和をしたとき。
なお、その混和後の酒類はウイスキーとブランデーとの混和酒となる。
⑤ 酒類製造者が、その製造免許を受けた品目の酒類(清酒、合成清酒、砂糖等を加えたしょうちゅう、みりんに限る。)と糖類その他一定の物品との混和をしたとき。(①~④にまでに該当する場合を除く。)
なお、その混和後の酒類は、その混和前の品目の酒類とみなす。
⑥ 所轄税務署長の承認を受け、酒類の保存のため、酒類にアルコール又はしょうちゅうを混和したとき(①~⑤までに該当する場合を除く。)
なお、その混和後の酒類は、その混和前の品目とみなす。
(2) 酒類の保存のため、次のそれぞれに掲げる品目の酒類にそれぞれに定める物品を混和したときは、それぞれ新たな酒類を製造したものとみあんさないものとし、その混和後の酒類の品目は、その混和前の品目とみなす。
① 清酒 ・・・乳酸、こはく酸又はりんご酸
② 果実酒又は甘味果実酒 ・・・酒石酸又はメタ重亜硫酸カリウム
③ 国税庁長官が指定する品目の酒類 ・・・ 国税庁長官が指定する物品